今回はサービス業は最初の利益を大きく取ることが大切だと思う理由について解説します。
前回のサービス業の下っ端社員であった過去の自分に言いたいこと【やりがい編】という記事で、サービス業の時給が上がらない闇についてお話しました。
では、
なぜサービス業は時給が上がらないような闇経営をしているのか?
なぜそうなってしまったのか?
これについてエデンなりの考察をしていきます。
この記事は以下の人におススメです。
・今後、数十年、存続する会社を作りたい経営者。
・サービス業で給料が安いことに不満と疑問を持っているあなた。
・長く勤めても給料が上がらない理由を知りたいあなた。
この記事を読むことであなたは、日本におけるサービス業の経営の仕方を根本から見直すきっかけになります。
サービス業って昇進すると拘束時間も増えて時給が上がらないよね
やばい、どんどん利益率が下がってきている…
こんな疑問を解消する記事になっています。
この記事で書かれている内容
【結論】最初の利益を大きく取ることが大切です
今回のエデンの主張は
事業を立ち上げる時に、大きく利益が取れる算段をつけてから起業しましょう
です。
こういうと、こんな反論があるかもしれません。
そんなこと言ってたら起業できない。
最初は利益が小さくても、会社を大きくしていけば効率化とかできそうじゃん
それについてもエデンの意見があります。
私が注目するのは利益率ですね。
売り上げに対しての利益率を大きく取れる見込みが必要です
是非、最後まで読んでいただきたく思います。
日本人は年功序列な考え方が根強く残っています
日本企業はほとんどが年功序列型です。
今でこそ、IT分野やベンチャー企業では年功序列でない会社も多くなってきていますが、正直、この分野だからこそ日本人にも受け入れられているという印象があります。
例えば、サービス業で、
年功序列ではなく成果主義型を取り入れています
というとどうでしょう?
なぜか、ブラックなイメージを持ってしまう
というのが今の率直な意見ではないでしょうか?
今、サービス業で働いている人もわざわざ、これから自分たちの給料を下げる可能性を高めてまで、年功序列を辞めようとは思わないですよね。
高い求人は敬遠してしまう日本人の特性
そもそも高い求人は敬遠してしまうのが日本人です。
偉そうに高い給料欲しいって言えるだけの能力がある自信がない…
そんな不安や謙虚さがあるのが日本人です。
会社も、
しっかりと育てるから、最初は少ない給料でね。
あとから給料が上がっていくから、長く働いてね
そういう暗黙の了解でした。
とはいえ、最近のニュースでは銀行が大量リストラです。
この暗黙の了解が完全に崩れている証拠です。
会社を創業しました
さて、1つ起業の話に移ります。
サービス業は一般的に起業しやすい業界と言われています。
そのおかげで廃業リスクも高いですが…
例えとして、
タピオカ屋を起業するときの話をします。
2018年から2019年にかけて、猛烈なブームとなったのがタピオカです。
私もタピオカの店を作れば儲かるんじゃない?
そう思った方も多いのではないでしょうか?
タピオカは業務スーパーで冷凍で安く売られています。
神戸物産という商社と直接契約することでも大量に手に入ります。
タピオカの原価は1杯30円くらいです。
あとはミルクティーなどのジュースを揃えればいいのです。
容器などにもお金はかかります。
1杯50円で作れるタピオカを500円で売れば、儲かりそう
ピークタイムは作る人と、会計担当を分けて2つの注文口から売上を上げると(3分に1つ×2つの注文口)
1時間で40食×500円=20000円の売上になります。
売る人は作る人2人と会計担当2人です。
1500円の時給を払っても1時間にかかる人件費は6000円です。
店を10時間、開けたとして10時間全部がピークタイムではないでしょう。
1日の売上が12万円くらいに落ち着くとします。
タピオカ代は1.2万円
人件費は多く見積もって6万円です。
おお!1日5万円近くの利益が見込めるなら1か月で150万円です。
開業資金1000万円もなんと1年以内に取り返せるという算段がつきました。
1年後
すっかり成功したこのタピオカ経営者は多店舗化を始めました。
なんといっても毎月、とんでもない額の利益があります。
これを使わないと税金を多く支払うはめになります。
次の事業を起こせば経費にすることができます。
店を多くすればするほど、優秀な社員も必要になります。
こんなかんじで求人を出したとしましょう。
店が多くなると、仕入れもまとめてできます。
タピオカや容器は大量に仕入れても安くなる金額は30円が25円になるくらいです。
あれ、人件費が圧迫して利益率が上がらない…
まあ経費として計上できるだけいいか。
それより、雇用も生み出して、俺は社会貢献してる
そんな思いでいる経営者です。
30年後の労務費はめちゃくちゃ上がります
30年後
社員は家族を持っています。
廃業するわけにはいかず、店は残っていました。
現在はタピオカはブームが過ぎています。
今はコーヒーなどのカフェでなんとか売上を維持しています。
社員も自分の家族を守るために必死に働いてくれています。
しかし、年々上昇するのが人件費です。
会社を大きくすることで経費を落とすスピードと労務費の上がるスピード
さらに店舗数を増やせば、新しい社員が必要なので、新卒を採ることができます。
原価に関しても大量発注することで、幾分かは効率化できます。
会社創業時はこんなことはなかったのに、いつしか労務費を減らすために店舗数を増やす必要がある状態になっていました。
1990年代、団塊の世代が消費者層になり、ニーズはありました。
だからこそ、どんどん店舗数を増やしていきました。
現在は少子高齢化です。
日本のGDPは伸び悩み、ここ50年、100年で一気に改善することはないでしょう。
ニーズが増えないのに店舗数は増やせません。
店舗数が増やせないということは、年々、社員が歳をとっていきます。
労務費がどんどん上がっていきます。
もちろん社員には自分の給料が上がる分、既存店の売り上げアップを目標にがんばってもらっています。
老朽化していく店舗で売上を上げるのはかなり根性論でやっています。
最近、現場からは違う問題の声が上がってきています。
それは人手不足です。
人手不足だから、採用するための広告を打って!
採用時の時給や初任給を上げて!
こんな声が聞こえてきます。
もちろん応えたいです。
ただ…さらに、人件費が高騰しそうなのでできる限り現場の声は受け入れられないのが現状です。
これはあくまでエデンが考えた例です。
こうなってしまわないように経営しましょう
【就活生へ】こういう企業は要注意
これまでの話をふまえると、将来的にやばくなる企業というのが見えてきますね。
これから就活する人は、よく調べてみて下さい。
下記のような数字の企業は要注意です。
現在の営業利益が10%以下で、平均勤続年数が10年以内、もしくは社員平均年齢が30代。
この数値は四季報やホームページで調べることができます。
社員の勤続年数が長くなるほど、労務費は上がっていきます。
現在の営業利益が少ないと、10年後、20年後に詰むことが確実です。
利益に対して、労務費の割合がどれくらいかというのは労働分配率と言います。
利益1億に対して、社員の給料が5000万だと労働分配率は50%ということになります。
人件費以外の経費の大小によって適正な数字は変わりますが80%を超えるとほとんどの企業はお手上げ状態になります。
お手上げ状態になるまでに、企業は多店舗化で効率的に経営するなど、努力しますが、
最後は人件費にテコ入れすることになってしまいます。
- 年配の使えない社員に辞めてもらう肩たたき
- 暗黙の了解でのサービス残業
- 激務による人員の新陳代謝を図る
こんなことに巻き込まれたくはないですよね。
しっかりと将来の数字を予想して、企業の数字を見てみましょう。
目安は
現在の営業利益が10%以下で、平均勤続年数が10年以内、もしくは社員平均年齢が30代は怪しい
です。
最初の利益を大きく取れることが大切です
新規参入しやすいのがサービス業です。
だからこそ、最初の利益モデルをしっかりと作ってください。
今の給料だと利益が取れるな(安心)
ではなく
10年後には人件費が上がることを見越してください。
もしくは最初から高時給、高給で採用し、給料も上がらない状態でも経営ができる状態を目指しましょう。
そうでないと業界を過当競争に巻き込ませるだけになります。
新規参入は最初の人件費を小さくして競争に入ることができます。
とはいえ、それが将来的に自分を苦しめることになるのです。
また、古参も新規参入に負けないために必死に競争することになります。
どうやって、利益を取るのか?
では、問題は
どうやって利益を確保していくか?
ということだと思います。
サービス業はどこも利益モデルが似ています。
これまで通りだと結局、人件費問題にたどり着いてしまうことも少なくありません。
そこで私は2つ考えてみました。
1つ目は稼ぎ方の多様化です。
飲食店なら、時間ごとにお客さんが少ない時間などがあります。
例えば、居酒屋なら夜にニーズが多いので、17時~店を開けるなんてことが多いです。
昼間の客席を企業向け貸し会議室にしてみてもいいかもしれません。
自社で貸し会議室を経営するのは難しいなら貸し会議室の企業と協業すればいいのです。
昔は難しかったことも今はネットもあります。
土地という本来の機能を価値にするのです。
こうすることで営業時間問題(ブラック深夜営業など)も解決するかもしれません。
これからの時代は企業も稼ぎ方をいかに組み合わせるか?
が重要だと感じます。
古着屋を経営するアパレルなら、その場で、今日着る服を借りられるシェアサービスを始めるなどいかがでしょう?
それを月額課金制でサブスクリプション化をしてみるのも面白いかもしれません。
こうすることで、収益を安定化させることができます。
2つ目は働き方を180°逆にするということです。
これからは本当の意味での終身雇用が始まります。
終身雇用が終了するなんて言われています。
それに対して、
80歳まで働くことになるなんて言われています。
今までは年齢が上がるにつれて給料も上がり、さらに残業も増えていきました。
それを逆にするのです。
給料(時給)は一定ですが、昇進するにつれて、労働時間を減らすことができるようにするのです。
そしたら
わしは70歳だからな。
80歳になって年金がもらえるまでの間、月に10万だけ稼ぎたいから50時間だけ働くよ
そんな働き方ができるようになります。
どうですか?
これがこれからの時代に合わせた本当の終身雇用と呼べるのではないでしょうか?
エデンは魅力的に感じますが…
【サービス業経験者が語る】サービス業は最初の利益を大きく取ることが大切だと思う理由のまとめ
・日本は年金も大企業も自転車操業をしてきた背景があります。
・過当競争はその自転車操業に拍車をかけるだけでどんどん首を絞めることになります。
・稼ぎ方を組み合わせるなどして、大きく利益を取る経営をしましょう。
あなたに幸あれ。それがエデンの幸せです。
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